2026年8月5日、本田技研工業が2027年3月期第1四半期決算を発表しました。
今回の決算を一言でまとめると、
二輪はインドとブラジルで走り回って過去最高益。
四輪も赤字から大きく復活。
でも中国では苦戦し、今後はEV戦略見直しの費用も待っているんよ~。
という内容です。
売上収益は前年同期比13.5%増、営業利益は117.4%増、親会社の所有者に帰属する四半期利益は129.3%増。
表面上の数字だけを見ると、文句なしの大幅増収増益です。
特に四輪事業は、前年同期の296億円の営業赤字から、今回は1,921億円の営業黒字へ大きく改善しました。
先日、高配当ちゃんは四輪事業を心配するあまり、
「バイクにタイヤを2個足して、四輪バイクとして売れば全部解決なんよ~」

という、妙に単純な新商品を提案していました。
ところが決算を開いてみると、四輪事業は普通のクルマでしっかり黒字へ復帰。
タイヤを足す前に、もう自力で立ち直ってたんよ……。
ただし、決算説明資料まで詳しく読むと、単純な「ホンダ絶好調」で終わる内容ではありません。
利益倍増には前年同期のEV関連損失の反動があり、四輪販売は中国で大きく減少。通期業績予想の上方修正も、販売台数の引き上げではなく、主に為替前提を円安方向へ変更したことによるものです。
今回は、数字の見た目だけでは分からないホンダ決算の中身を、高配当ちゃんと一緒に詳しく見ていきます。
まず3行で今回の決算
- 売上収益は6兆615億円、前年同期比13.5%増
- 営業利益は5,307億円、前年同期比117.4%増
- 二輪は四半期過去最高益、四輪も黒字復活。ただし中国販売は大幅減
年間配当予想は、中間35円、期末35円の合計70円で据え置かれました。
また、通期営業利益予想は前回の5,000億円から6,500億円へ上方修正されています。
高配当ちゃんメモ:
売上は13%増えた。
営業利益は117%増えた。
純利益は129%増えた。
売上より利益のほうが元気いっぱいなんよ~。
第1四半期の業績を確認
2026年4月から6月までの連結業績は、次のとおりです。
| 項目 | 2027年3月期1Q | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 6兆615億円 | +13.5% |
| 営業利益 | 5,307億円 | +117.4% |
| 営業利益率 | 8.8% | +4.2ポイント |
| 税引前利益 | 6,050億円 | +107.0% |
| 親会社帰属四半期利益 | 4,509億円 | +129.3% |
| 1株当たり四半期利益 | 115円 | 前年同期46円 |
売上収益は前年同期から7,212億円増加しました。
営業利益は2,441億円から5,307億円へ、2,865億円増加。営業利益率も4.6%から8.8%へ上昇しています。
売上規模が拡大しただけではなく、利益率も大きく改善したことが分かります。
ただし、営業利益が117%増えた理由を正しく理解するには、前年同期に発生していたEV関連損失を確認する必要があります。
営業利益が倍増した最大の理由は、EV関連損失の反動
前年同期の営業利益2,441億円には、EV関連損失1,220億円が含まれていました。
この一時的な損失を除いた前年同期の「調整後営業利益」は3,661億円です。
今回の第1四半期にはEV関連損失が計上されていないため、調整後営業利益も営業利益と同じ5,307億円となります。
| 項目 | 前年同期 | 今回 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 営業利益 | 2,441億円 | 5,307億円 | +117.4% |
| EV関連損失 | -1,220億円 | なし | ― |
| 調整後営業利益 | 3,661億円 | 5,307億円 | +44.9% |
つまり、営業利益が2倍以上になったこと自体は事実です。
ただし、その増加分のうち1,220億円は、前年同期にあったEV関連損失が今回はなかったことによる反動です。
一方で、その特殊要因を除いて比較しても、調整後営業利益は44.9%増加しています。
EV関連の重りが外れただけではなく、重りを外した後の走る速度そのものも上がっていた。
というのが、今回の決算をより正確に表した見方です。
高配当ちゃんメモ:
去年は1,220億円の重りを背負ってたんよ。
今年はその重りがなくなった。
でも軽くなっただけじゃなく、普通に走る速度も上がってたんよ~。
ホンダは何で稼いでいるのか
ホンダの事業は、主に次の4つに分かれています。
- 二輪事業
- 四輪事業
- 金融サービス事業
- パワープロダクツ事業およびその他の事業
第1四半期の事業別業績は、次のとおりです。
| 事業 | 売上収益 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 二輪事業 | 1兆1,411億円 | 2,339億円 | 20.5% |
| 四輪事業 | 3兆8,791億円 | 1,921億円 | 5.0% |
| 金融サービス事業 | 1兆270億円 | 1,058億円 | 10.3% |
| パワープロダクツ等 | 944億円 | 11億円の赤字 | -1.2% |
売上規模では四輪事業が圧倒的ですが、営業利益では二輪事業が四輪事業を上回っています。
ホンダはクルマの会社というイメージが強いものの、今回も最も多くの営業利益を稼いだのは二輪事業でした。
高配当ちゃんメモ:
クルマの会社に見えるけど、一番稼いでるのはバイクなんよ。
ホンダ家の家計、今回も二輪がしっかり支えてるんよね。
二輪事業は四半期過去最高の営業利益
二輪事業のHondaグループ販売台数は566万3千台。
前年同期の514万3千台から52万台増加し、増加率は10.1%となりました。
営業利益は前年同期の1,890億円から2,339億円へ増加。営業利益率も19.9%から20.5%へ上昇しました。
会社は、主にインドとブラジルでの販売台数増加が増益に寄与したと説明しています。
その結果、二輪事業は四半期として過去最高の営業利益と営業利益率を記録しました。
二輪事業の営業利益率20.5%は、製造業としてかなり高い水準です。
四輪事業の営業利益率が5.0%、金融サービス事業が10.3%であることと比べても、二輪事業の収益性が際立っています。
高配当ちゃんメモ:
四輪が中国で悩んでる横で、二輪はインドとブラジルを走り回って過去最高益なんよ。
ホンダ家の稼ぎ頭、今回も仕事が早すぎるんよ~。
四輪事業は赤字から大復活
四輪事業の営業損益は、前年同期の296億円の赤字から、今回1,921億円の黒字へ改善しました。
表面上の改善額は2,217億円です。
ただし、前年同期には四輪事業で1,220億円のEV関連損失が発生していました。
その損失を除いた前年同期の調整後営業利益は923億円です。
| 四輪事業 | 前年同期 | 今回 |
|---|---|---|
| 営業利益 | -296億円 | 1,921億円 |
| EV関連損失 | -1,220億円 | なし |
| 調整後営業利益 | 923億円 | 1,921億円 |
| 調整後営業利益率 | 2.6% | 5.0% |
特殊要因を除いた比較でも、四輪事業の営業利益は997億円、108.0%増加しています。
つまり、今回の黒字転換は「前年のEV損失が消えただけ」ではありません。
原材料価格高騰などのマイナス要因はあったものの、販売面、為替、会社資料上の関税影響などによって、実態ベースでも利益が大きく改善しました。
高配当ちゃんメモ:
去年は296億円の赤字。
今年は1,921億円の黒字。
EV損失を除いて比べても利益は約2倍。
四輪さん、反省会から札束を抱えて帰ってきたんよ~。
ただし、四輪販売は中国で大きく減少
利益は大きく改善した四輪事業ですが、販売台数を見ると別の課題が見えてきます。
四輪事業のHondaグループ販売台数は、前年同期の83万9千台から78万6千台へ減少しました。
減少率は6.3%です。
地域別の増減は、
- 日本:1万5千台増
- 北米:4千台増
- 欧州:ほぼ横ばい
- アジア:7万5千台減
- その他地域:3千台増
となっています。
アジアの7万5千台減のうち、中国の減少が7万4千台を占めています。
つまり、アジア地域全体の減少は、ほぼ中国市場での苦戦によるものです。
北米と日本では販売台数を伸ばしたものの、中国での落ち込みを埋め切ることはできず、四輪の世界販売台数は減少しました。
高配当ちゃんメモ:
北米では売れた。日本でも増えた。
でも中国で7万4千台減った。
四輪さん、北米でアクセルを踏みながら、中国では強くブレーキを踏まれてたんよ……。
四輪売上の増加は、ほぼ為替の影響
四輪事業の外部顧客向け売上収益は、前年同期から3,327億円増加し、3兆8,073億円となりました。
円ベースでは大きな増収です。
ところが、為替換算影響を除いた増加額はわずか13億円。増減率は0.0%とされています。
| 四輪事業の外部売上 | 増減 |
|---|---|
| 円換算後の増加額 | +3,327億円 |
| 為替換算影響を除く増加額 | +13億円 |
| 為替影響を除く増減率 | 0.0% |
つまり、四輪事業の売上増加は、円安による円換算額の増加が大部分を占めています。
売上高だけを見ると四輪事業が大きく伸びたように見えますが、為替の影響を除けば実質的にはほぼ横ばいでした。
これは四輪の利益改善を否定するものではありません。
ただし、
売上が3,300億円増えた
=クルマが大量に売れた
とは限らないということです。
高配当ちゃんメモ:
売上は3,300億円増えた。
でも為替を外すと、ほぼ変わってないんよ。
四輪さんの売上、円安がだいぶ大きく見せてくれてたんよ~。
四輪バイクを作らなくても大丈夫だった
決算発表前、高配当ちゃんは二輪の好調と四輪への不安を見て、
「バイクにタイヤを2つ足せば、二輪も四輪も絶好調なんよ~」
と考えていました。
しかし今回の決算では、四輪事業が1,921億円の営業利益を確保。
どうやらホンダに必要だったのは、タイヤを追加したバイクではなく、前年同期のEV関連損失から立ち直る時間だったようです。
ただし、中国での販売減少や、今後発生予定のEV戦略見直し費用を考えると、四輪事業の不安がすべて消えたわけではありません。
4輪バイク案は一旦しまっておく。
でも中国販売がさらに落ち込んだときのために、物置の奥には残しておくんよ~。
金融サービス事業も増収増益
金融サービス事業の売上収益は1兆270億円、営業利益は1,058億円でした。
前年同期と比べると、
- 売上収益:23.3%増
- 営業利益:24.5%増
- 営業利益率:10.2%から10.3%へ上昇
となっています。
金融サービス事業では、ホンダ製品を購入する顧客向けにローンやリースなどを提供しています。
バイクやクルマを売るだけではなく、購入後の金融サービスからも収益を得る仕組みです。
営業利益率は四輪事業を上回っており、ホンダ全体の収益を支える重要な事業となっています。
高配当ちゃんメモ:
バイクを売る。クルマを売る。
ローンやリースでも稼ぐ。
乗り物だけじゃなく、お金にも働いてもらってるんよ~。
パワープロダクツ等は赤字継続
パワープロダクツ事業およびその他の事業は、売上収益944億円、営業損失11億円でした。
前年同期は2億円の営業赤字だったため、赤字幅は拡大しています。
Hondaグループ販売台数も、前年同期の82万8千台から75万2千台へ9.2%減少しました。
地域別では、北米が3万8千台減、欧州が2万8千台減となっています。
もっとも、ホンダ全体の営業利益5,307億円に対して、11億円の赤字が与える影響は限定的です。
高配当ちゃんメモ:
二輪・四輪・金融が盛大に祝杯を上げてる隅で、その他組は静かに反省会してるんよ……。
「1Qで通期利益の8割達成」は、そのまま見ない
ホンダの通期営業利益予想は6,500億円です。
第1四半期の営業利益は5,307億円なので、単純計算では通期予想の約82%に達しています。
親会社帰属四半期利益4,509億円は、通期予想4,000億円をすでに上回っています。
これだけを見ると、
「残り9か月はほとんど利益を出さない予想なの?」
と疑問に思うかもしれません。
しかし、通期業績予想には、今後発生すると見込まれているEV関連損失5,200億円が含まれています。
第1四半期にはこのEV関連損失が発生していないため、通常の営業利益と通期予想の進捗率をそのまま比較すると、進捗が極端に高く見えます。
ホンダが示している調整後営業利益予想は1兆1,700億円です。
第1四半期の調整後営業利益5,307億円は、通期予想の約45%。
それでも3か月分として高い進捗ですが、「すでに通期の8割を稼いだ」という見方よりは、こちらの方が実態に近いでしょう。
高配当ちゃんメモ:
1Qだけで営業利益8割!
……と思ったら、通期にはEV関連損失5,200億円が待ってるんよ。
大きな穴をこれから埋める前提の予想なんよ~。
通期上方修正の主因は、販売増ではなく円安
ホンダは通期業績予想を次のように修正しました。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 23兆1,500億円 | 24兆1,500億円 |
| 営業利益 | 5,000億円 | 6,500億円 |
| 税引前利益 | 5,000億円 | 6,600億円 |
| 親会社帰属利益 | 2,600億円 | 4,000億円 |
| 調整後営業利益 | 1兆円 | 1兆1,700億円 |
| EV関連損失 | -5,000億円 | -5,200億円 |
営業利益予想は1,500億円、調整後営業利益予想は1,700億円引き上げられました。
ただし、今回ホンダは二輪・四輪・パワープロダクツの年間販売台数予想を変更していません。
変更された主な前提は為替です。
ドル円の年間想定レートを、前回予想の1ドル145円から、今回は155円へ変更しました。
会社の営業利益増減要因でも、調整後営業利益の1,700億円上方修正は、為替影響によるものとされています。
つまり今回の上方修正は、
クルマやバイクが前回予想より大量に売れると判断した
というより、
円安前提へ変更したことで、円換算した利益が増える
という性格が強い修正です。
一方、EV関連損失予想は5,000億円から5,200億円へ、200億円悪化しています。
高配当ちゃんメモ:
営業利益予想は1,500億円増えた。
でも販売台数を増やしたわけじゃなく、主にドル円を155円へ変えたからなんよ。
上方修正だけ見て走り出す前に、中身を確認するんよ~。
なぜ販売台数予想を引き上げなかったのか
第1四半期の業績は好調でしたが、ホンダは年間販売台数予想を据え置きました。
会社は、販売台数や原材料価格への中東情勢の影響について、先行きに不透明感があり、リスクを見極める必要があると説明しています。
そのため今回は販売台数やコスト前提を大きく変更せず、為替前提のみを見直しました。
さらに、今後の業績には次のような不確定要素があります。
- 中国における四輪販売の苦戦
- 中東情勢が販売や原材料価格へ与える影響
- 関税の影響
- EV戦略見直しに伴う追加費用
- エアバッグインフレーター関連費用
- 為替相場の変動
利益が大幅に増えた第1四半期だけを見て、年間を通じて同じ状態が続くと考えるのは早そうです。
高配当ちゃんメモ:
1Qは絶好調。
でも中国、中東、関税、EV見直し費用が、まだ物陰からこっちを見てるんよ……。
年間配当は70円で据え置き
2027年3月期の年間配当予想は70円です。
内訳は、
- 中間配当35円
- 期末配当35円
- 年間配当70円
となっています。
今回の決算による配当予想の変更はありませんでした。
ホンダは、DOE、調整後親会社所有者帰属持分配当率3.0%を目安に、安定的・継続的な配当を行う方針を示しています。
そのため、短期的に四半期利益が大きく増えたからといって、すぐに配当を大幅に増やす仕組みではありません。
今年の一時的な利益だけではなく、企業が積み上げてきた資本を基準に、安定配当を目指す考え方です。
高配当ちゃんメモ:
利益は倍になったけど、配当は70円のまま。
今期だけの利益で急におみやげを増やさず、長く配り続ける方を選ぶんよ~。
事業会社のネットキャッシュは3.3兆円
金融サービス事業を除く事業会社の第1四半期末ネットキャッシュは3兆3,318億円。
月商の約2か月分に相当します。
事業会社のキャッシュフローは、
- 営業キャッシュフロー:5,291億円
- 投資キャッシュフロー:-4,008億円
- フリーキャッシュフロー:1,283億円
となりました。
営業キャッシュフローは前年同期の3,900億円から増加しました。
一方、投資活動による支出も大きく増えています。
事業会社としては、本業から現金を生み出しつつ、大規模な設備投資を行い、それでもフリーキャッシュフローはプラスを確保した形です。
高配当ちゃんメモ:
本業で現金を稼いで、未来の工場にも大量課金。
それでも手元には3.3兆円あるんよ。
高配当ちゃんのお財布とは桁が違いすぎるんよ~。
設備投資は前年同期の約6.7倍
第1四半期の設備投資は6,062億円でした。
前年同期の909億円から、5,152億円増加しています。
約6.7倍の水準です。
2027年3月期通期の設備投資予想も、前年実績7,513億円に対して1兆2,800億円とされています。
特に四輪事業の資本的支出が大きく増えており、将来の生産・電動化・事業再編などに向けた大規模投資を進めていることがうかがえます。
ただし、設備投資は将来の利益へつながる可能性がある一方、投資回収が計画どおり進むかを見る必要があります。
高配当ちゃんメモ:
四輪さん、黒字へ戻った直後に設備投資へ6,000億円。
稼いだお金を抱えて帰る前に、そのまま未来へ突っ込んでるんよ~。
今後の決算で見たいポイント
1.中国での四輪販売
中国の四輪販売は前年同期から7万4千台減少しました。
北米や日本の増加だけでは補えなかったため、今後も中国市場での販売回復や、生産体制の見直しが重要になります。
2.四輪の利益改善が続くか
EV関連損失を除いた比較でも、四輪の営業利益は約1,000億円増加しました。
次回以降も営業利益率5%前後を維持できるのか確認したいところです。
3.二輪事業の高収益性
二輪は四半期過去最高の営業利益と利益率を記録しました。
インドやブラジルでの販売増加が続くか、為替が変化しても高い利益率を保てるかが注目されます。
4.EV関連損失5,200億円
通期予想にはEV関連損失5,200億円が含まれています。
どの四半期に、どの程度の費用が計上されるのかによって、各四半期の利益は大きく変動する可能性があります。
5.円安前提への依存度
通期上方修正の主因は、ドル円前提を145円から155円へ変更したことです。
円高へ戻った場合には、現在の業績予想が下押しされる可能性があります。
6.大規模設備投資の回収
通期設備投資予想は1兆2,800億円。
投資が将来の販売や収益へどのようにつながるのかも、長期投資家として確認したいポイントです。
7.熊本地震による生産影響
決算説明資料では、熊本地震の影響により、熊本製作所、埼玉製作所、鈴鹿製作所で生産休止が発生していることも報告されています。
これは第1四半期終了後の事象であり、今回の決算実績には含まれていません。
今後の復旧状況や、第2四半期の生産・販売への影響を確認する必要があります。
高配当ちゃんは今回の決算をどう見る?
今回のホンダ決算は、前年同期比では非常に強い内容でした。
良かったところ
- 売上収益13.5%増
- 調整後営業利益44.9%増
- 二輪事業が四半期過去最高の営業利益・利益率
- 四輪事業が赤字から黒字へ復帰
- EV損失を除いた四輪利益も約2倍
- 金融サービス事業も増収増益
- 営業キャッシュフローが増加
- ネットキャッシュ3.3兆円
- 通期業績予想を上方修正
気になるところ
- 四輪グループ販売台数は6.3%減
- 中国だけで四輪販売が7万4千台減少
- 四輪売上の増加は為替影響を除くとほぼ横ばい
- 通期上方修正の主因は円安前提への変更
- 通期にEV関連損失5,200億円を見込む
- 中東情勢や原材料価格の先行きが不透明
- 関税影響の変化
- 大規模設備投資の回収
- 地震による今後の生産影響
今回の決算は、「利益が倍になった」という見出しだけで判断すると、少し実態を見誤ります。
前年同期のEV関連損失の反動は大きいものの、それを除いても本業の利益はしっかり伸びました。
二輪は文句なしの好調。
四輪も利益面では大きく改善しています。
しかし、販売台数では中国が大きく落ち込み、売上増加には円安の影響が強く出ています。
強い決算ではある。
でも、どこを切っても全部絶好調という決算ではない。
というのが、今回のホンダ決算の正確な姿だと思います。
まとめ:二輪は過去最高、四輪も復活。でもまだ慎重運転
ホンダの2027年3月期第1四半期決算は、売上収益6兆615億円、営業利益5,307億円となり、大幅な増収増益でした。
前年同期に発生していたEV関連損失1,220億円の反動はあるものの、その影響を除いた調整後営業利益も44.9%増加しています。
二輪事業は、インドとブラジルを中心に販売台数を伸ばし、四半期として過去最高の営業利益2,339億円、営業利益率20.5%を達成しました。
四輪事業も、前年同期の営業赤字296億円から、営業黒字1,921億円へ大きく改善。
EV関連損失を除いた比較でも、営業利益は約1,000億円増加しています。
一方で、四輪の世界販売台数は6.3%減少。
中国だけで7万4千台減少しており、中国市場での苦戦が鮮明になりました。
四輪の売上収益は円換算で大きく増えていますが、為替影響を除けばほぼ横ばいです。
通期営業利益予想は6,500億円へ上方修正されましたが、販売台数予想は変更されていません。
上方修正の主因は、ドル円の想定を1ドル145円から155円へ変更したことです。
さらに、通期予想には今後発生するEV関連損失5,200億円が含まれています。
今回の決算を、高配当ちゃん流に一言でまとめるなら、
二輪はインドとブラジルを走り回って過去最高益。四輪も赤字から札束を抱えて帰ってきた。でも中国ではブレーキを踏まれ、これからEV見直し費用5,200億円の大きな坂を越えなきゃいけない、まだ慎重運転中の乗り物帝国なんよ~。
次回の決算では、四輪の利益改善が続いているかだけではなく、中国の販売台数、EV関連損失の計上状況、為替影響を除いた実力にも注目したいところです。
※本記事は、本田技研工業株式会社が2026年8月5日に公表した「2027年3月期 第1四半期決算短信」および「2027年3月期 第1四半期 決算説明会資料」を基に、筆者が内容を整理したものです。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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